歯の生え替わり時期
乳歯が抜けるのは個人差がありますが、通常は下の前歯が5~6才頃から生え替わり、最終的には13才頃までに20本の乳歯が抜けて永久歯が萌出します。
よくある来院理由
①『下の前歯の生えかわりの時、永久歯が後ろから重なって生えてきている!』
という状態があります。他の永久歯は乳歯の根を溶かしつつ同じ軸に沿って同じ軸に生えかわりますが、下の前歯だけは『エスカレーション交換』と呼ばれ、後ろ(舌側)から階段状に後継永久歯が生えてきます。
乳歯と永久歯が重なった状態は一時的で、自然に抜ける事が多いですが、抜けるのを待つか、積極的に抜歯を行うかは状況や希望により決定します。
乳歯が抜けた後、後ろに生えてきた永久歯はスペースさえ確保出来ていれば舌の圧などで歯列に治まる位置へ移動してきます。
ただし乳歯の時点で既に歯列に隙間が無く、幅のある永久歯が新しく生えてくると、スペースが無いので永久歯は捻れたり重なったり傾いたりします。
グラグラが始まってから乳前歯が抜けるまで約1ヶ月前後ですが、その歯列の状態は予め大まかに決まっていると考えて良いでしょう。よって正常な抜歯をする時期だけでは歯並びに大きな影響はありません。
但し自然の生えかわりではなく虫歯などによる歯の欠損は時期が早いと歯列不正の原因になります。永久歯が生える場所に他の歯が移動してきてしまうのです。
この場合『保隙装置』を使用します。永久歯が生えるまでの間、歯が移動しないようスペースを確保しておきます。
②『上の前歯の正中(真ん中の歯と歯の間)が開いている』
という場合は上唇小帯の付着異常があれば局所麻酔後レーザーなどにより小帯を切除し歯間の閉じやすい環境を作る必要があります。
通常は10才前後に糸切り歯(犬歯)が生え始め、正中のスペースは閉じてくることが多いです。この正中が開いている時期の事を『みにくいアヒルの子時代』と呼び上顎左右の糸切り歯が生えることにより前歯は各々中央寄りに移動し、隙間が閉じてきます。
完全に永久歯列となってから前歯に正中離開ががある場合はラミネートベニアや冠(被せ物)で形態を修復して歯を作るというのが矯正に比べて早く治療が完了します。